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法人口座の開設その2

さて、受付の若いお姉さん。
『法人の新規の口座開設はすぐに出来ません。
今日はお話を伺って後日可否の連絡をしますがよろしいでしょうか?』
『はい』と言ったら、お姉さんは、謄本をチラリと見て、
『業種は○○ですね。具体的にはどのような事をなさっているのですか?』
『最近設立されたのですね』
『今までどちらの銀行でお取引されてたのですか?』
『なぜ手前どもの銀行とお取引を希望されているのですか?』
と矢継ぎ早に聞いてきた。しどろもどろしながら打ち返している社長だが、
言葉に詰まってしまったので、すかさず横から助け舟
『業種柄いちげんのお客様からの振込が多くなる事が予想されます。その際代金の受取口座が信用金庫さんですとどうも。それと事務所から一番近い都銀さんということでこちらに伺いました』
『あっそうですか』
そのあとも色々と聞かれたが、なんとか無事に終わった。最後にお姉さん
『後日こちらから連絡します』

帰路、社長から
『良かったよ、先生が来てくれて。しかし、たかだか口座作るのにえらいうるせーな』
普通の感覚だと口座なんて簡単にできると思う。しかし今はそんなに簡単に出来ません。
何をやっている会社か、なぜ取引銀行が別にあるのに口座を開設したいのか
などなど、根堀葉堀聞かれる。場合によっては営業マンが事務所に来る。

だから口座開設に行く時は、開設理由などある程度は答えられるようにしておいた方がよい。
『社長ポイントはどうしてその銀行と取引したいかですよ。そこが上手く答えられないと怪しいってことになりますよ』
『都銀、カコイイじゃだめか』
『ダメですよ、今まで何故取引しに来なかったんですかって考えるですよ銀行って』
『まいったね』

後日某銀行から連絡があり、晴れて取引開始できることになった。
でも、今回かなりしつこく聞かれたのは
この銀行が反社会的勢力で業務改善命令を受けたからか。
またはうちの社長がぱっと見あっち系の人だからか。
怪しげなコンサルタントが同席していたからか。

よくわからない。
でも口座が開設できてメデタシメデタシ。

法人口座の開設

『621番の番号カードをお持ちのお客様』
『あ、俺だ』と社長。
実は私のお客さんの社長、ちょっと道楽も兼ねて別の会社を作った。登記が終わったので銀行に口座を作りに来たのだ。

『先生、一緒に来て下さいよ』
『どうしてですか?』
『いやあ、銀行なんか行ったことないし、それに・・・』
『それにって?』
『いやあ』説明しだした社長ですが、それを聞いてちょっとびっくり。

本業で信用金庫と付き合ってる社長ですが、道楽の方は都市銀行と付き合いたいといって全く縁もない取引もない都市銀行へ飛び込みで口座を作りに行きたいと言うのだ。
しかもそれが、反社会的勢力への取引で最近業務改善命令を受けた某銀行。
新規の飛込みの法人口座開設、しかもうちの社長ちょっと見はあっち系の人、しかも怪しげなコンサルタントが同席。どう見てもまずいだろと思っていたら、順番が来てしまった。

取引のない法人の口座開設は普通その場で出来ない。
謄本や代表者の本人確認資料、来店者の本人確認資料をもらい、銀行のデータベースにアクセクスして、法人や、役員が反社会的勢力でないか、過去トラブルがないかなどを調べる。
それで該当ないと、晴れて取引開始となる。

で、普通は何をやっている会社か、何故口座を開設したいかを根掘り葉掘り聞く。
場合によっては営業マンに事務所の確認に来させるところもある。
まあ何れにせよ簡単に出来ない。社長もそれを知っていたから私に同席を頼んだのだと思う。
大丈夫かな?

銀行の種類

『先生、この前業務改善命令受けた某銀行って都市銀行ですよね』
『そうですよ』
『いや、うちの実家、長野市にあるけど確か支店があったと思うんですよね。都市銀行って大都市しかないでしょう。変ですよね』
『え?』
『社長違いますよ。都市銀行って都市に住んでる人しか取引できないんですよ。ねえ先生。』
両方ともちがーう。でも普通の人の感覚ってそんなもんなのかな?
というわけで今回は少し銀行についてのお話。
いったいどんな銀行があるのでしょう。

まず、都市銀行。
これは普通銀行の中で東京、大阪など本店をおき広域展開している日本の銀行である。
略して『都銀』とよばれている。海外展開などもする。行政上は『三菱東京UFJ銀行』『三井住友銀行』『みずほ銀行』『りそな銀行』『埼玉りそな銀行』と5つある。
ちなみにメガバンクというのは『三菱東京UFJ銀行』『三井住友銀行』『みずほ銀行』の3つのこと。どういう訳か3行とも頭に『み』がつく。

次に地方銀行。略して『地銀』
これは、昔から地方銀行だった第一地銀と相互銀行や信用金庫などが普通銀行に転換した第二地銀の二種類がある。一般的に地銀は、本店所在地が道、府、県でその中で最大規模の金融機関である。地域の主要企業の主要融資を担っていることが多く、地域経済を支えている自負とプライドがある。都銀に比べると海外戦略に弱いところがあるのは否めない。

関東圏でよく見るのは、『七十七銀行』『東邦銀行』『群馬銀行』『足利銀行』『常陽銀行』『千葉銀行』『千葉興業銀行』『東京都民銀行』『横浜銀行』『山梨中央銀行』『八十二銀行』『静岡銀行』『駿河銀行』などである。
一方信用金庫や相互銀行から転換した第二地銀は、今ではその本店所在地を営業基盤とする金融機関となっている。よく聞く銀行としては、『東和銀行』『京葉銀行』『東日本銀行』『八千代銀行』『東京スター銀行』などがある。『トマト銀行』『もみじ銀行』なども第二地銀である。

最後に信用金庫。略して『信金』
これは中小企業ならび個人のための専門の金融機関であり、地元経済に密着している金融機関で、大企業や営業地域外の企業や個人には、融資できない。信用金庫の中で資金量が多い金庫をメガ信金と呼んでいるが、『多摩中央信用金庫』『巣鴨信用金庫』『西武信用金庫』『城南信用金庫』『東京信用金庫』『横浜信用金庫』『川崎信用金庫』などがある。色々あるけれど、大切なことはその金融機関の特徴を良く考えて取引をする事なのだ。