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新規銀行取引について その7

いよいよ銀行が来ました。さてどうしましょう。
向こうは貸す気が満々
こちらは借りる気満々
でもいきなり『貸してくれ』はNGです。
貸すつもりが満々でも、まず貸せるかどうかを見ているからです。
何度も言いますが、銀行は『貸して』とお願いすると逃げる人達です。絶対に最初から『貸して』はいけませんよ。これは鉄則です。

銀行員は最初貸せるかどうかを見ます。
これって何だと思いますか?一言でいうと経営者の人物です。経営者の人を見ます。
『え?』 と困った経営者の方。そうです。業績より前に必ずそこを見ます。
『そんなのどうやって見るのよ』意外と単純。まずは普通の人どうかです。
誠実で約束を守る人かどうかがポイント。

銀行は企業が返済を約束したから融資をします。
銀行って簡単な約束も反故にするような経営者は返済の約束を守れるはずがないと考えます。だから、時間とかほんの細かい事でも約束を守れる人かは銀行にとって大事です。
『時間に遅れるのと、返済できないのは違うだろ』と思う経営者の方。お気持ちはよくわかりますが、それが常識的に正しいかどうかでなく、銀行員はそう考える人達だと思って下さい。でそういう人からお金を借入するのだから仕方ないと割り切って下さい。

余談ですが、経営計画。今期の予想なども、銀行は経営者の約束と捉えます。だから前年比も大事だけど、計画比をより重視します。計画比マイナスというのは約束を守れなかった。あるいは守らなかったとなります。もっと言うと守れない約束をするくらい見通しの甘い経営者という事になってしまうのです。

次に何をやっている会社かは必ず聞かれます。
ここで自社の特殊性を遍く(あまねく)語る事が出来れば良いのですが、それができなくても大丈夫です。大事なのは、経営者が真剣にビジネスに取り組んでいるかです。
この人は寝食を忘れ仕事に取り組む真面目な人かというのがポイントです。
間違っても『ゴルフがシングル』とか『昨日銀座で』なんて話は絶対ダメです。嘘をつく必要はないですが、積極的に話すのはNGです。
『え?銀座で飲んだら銀行から借入れできないの?』
違いますよ。初回は銀行も探っている状態でしょ。そんな時に敢えて相手の嫌がる話をするなって事です。見合いの席で、六本木や銀座で良く遊びますなんて言わないでしょ。
あとでばれちゃう事はあるかもしれませんが

新規銀行取引について その6

前置きが長くなったけど、どうやって銀行と新規取引をするかというお話。
これには3つの方法がある。
1つは、飛込みで銀行に行く方法。
2つ目は飛込みで来た銀行員を押さえる方法。
3つ目はしかるべき人の紹介を受ける方法。

でまず、飛込みでいく方法。これはほぼ失敗する。
なぜってこちらから行くと引く習性のある人達だからだ。
近くの銀行に行って、口座を作って窓口でお姉さんに
『営業の人に一度来るように伝えて下さい』
というのもまぁありと言えばありだけど、あまり現実的でない。
だって営業の人って、今まで来なかったでしょ。
だから、来ないって。
まして窓口に行っていきなり
『貸して下さい』
なんて行ったら大変な事になる。間違えなく引かれちゃう。

2つ目は飛び込みできた銀行員を押える方法。
飛び込み営業はきつい。経営者はあまり銀行取引を増やそうとしていない。だから10件飛び込んで、1件話を聞いてもらえれば良いほう。話を聞いてもらったうちの10件のうち取引につながるのは1件だよ。だから飛び込みで来た営業マンは話を聞いてもらうだけで、とても嬉しい。

社長が戻って来て、知らない銀行の名刺が置いてあったら必ず電話しましょう。
私もそうだったけど名刺だけ置いていった先の社長から電話をもらったりしたら、それだけでもう大変、嬉しくて。個人的にはそれだけでその会社に融資したくなっちゃう。
で、電話していきなり
『お金借りたいので』
ではダメですよ。最初は冷静に
『何の用ですか?』
そうすれば相手は必ず、会いたいと言ってくる。
その時喜んだ素振りを少しでも見せてはいけない。

あくまでも、面倒くさそうにする。なぜって相手は借りたいというと逃げる種族だから。
とりあえず面倒くさいふりをして、会いましょう。
で会ってどうするかって?
それは次回だな

新規銀行取引について その5

今回からしばらく。どうやって新規での取引を開始するかという話。
ここでいう新規取引というのは借入取引の事。銀行は普通預金口座だけを持っていてもお客様と思っていない。よく
『あっ ○○銀行ですか。個人で口座持っていますよ』という人がいる。
『えっ そうなんですか。ありがとうございます』と答えるが、本当にありがたいと思っているかは微妙である。
銀行は個人で口座を持っていてもなんとも思っていない。銀行からみて借入をして初めてお客様なのだ。だからまず借入をしてお客様になる必要がある。

最も難しいのは、初回の借入。
どんな会社?から入るから当然審査に時間がかかるし、審査も厳しい。簡単にいったら
『知らない人に金を貸すんですよ』って事です。
でも二回目以降は知っている人だからとても楽。だから、今後の事を考えるとたとえ今必要なくとも少額の借入をして銀行とのパイプを作っておいた方が絶対に良い。一回融資の実績をつければ銀行はお客様なので、必要な時対応してくれる。

しかし、銀行員というのは、
『借りたい』というと
『えっ』と疑う。
『もう要りません』と言うと
『借りて下さい』と貸したがる不思議な集団。

初めてのアプローチでも、こちらから
『貸して下さい』
とお願いすると、
『何故今の銀行から借入しないのですか』
とくる。
これは、その銀行とのトラブルや業績の悪化で既存の銀行が貸せないと疑っている。
一回疑うともうダメな集団。注意が必要。

とにかくファーストアクションでこちらからギラギラ感を出さないという事が大事。
まぁキャバクラとかで、口説く時もあまりギラギラいったら嫌われるでしょ。あの感じ。こっちが押せば引くし、引いたら押してくるし。そんなキャバ嬢と同じかもしれない。
勿論ギラギラ感で上手くいく娘もいるかもしれない。でもそれは銀行と業態の違うファイナンス会社。金利が高いので付き合うと苦労する。