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銀行員に言ってはいけない

前回までは、『ここが変だよ。銀行用語』でしたが、今回は『銀行員に言ってはいけない』言葉です。世間では当たり前のように使われている言葉でも、銀行の中ではそうとられません。

一回信用を失うと銀行員の信用を回復するのは大変です。銀行の中では、良いことは引き継がれませんが、悪いことは永遠に引き継がれます。こころして下さい。

まず、ゴルフや夜の接待の自慢はダメです。仕事をしないで遊んでいるという印象しか持たれません。『シングルなんかにする前にやる事あるだろ』とか『俺が仕事している時間に豪遊かよ』と思われます。そもそも銀座なんか殆んど行った事がない人達の集団です。その手の話しは禁句です。
それから、体調が悪いとか、薬飲んでいるなんて言うのもダメ。

『え?』と思うでしょ。銀行員にとって経営者の病気は、リスク以外の何ものでもありません。『そもそも自分の体調管理もできないのに会社大丈夫』と思われます。

私の知り合いで、糖尿病と血圧の薬を飲んでいる方が『60になって糖尿じゃないヤツがいるのか』と冗談で言っていましたが、公私ともにかなりまずいと思います。

業界用語その2

ここが変だよ、銀行用語の第2弾。
銀行員は断る時に二つの言葉をよく使う。ひとつは『総合的に判断して』。この言葉、要は逃げている。本来断る明確な理由があるけれど、それを伝えたくないから『総合的に判断して』という。伝えてしまうとお客さんがクリアーしたら応諾しないといけないからだ。

明確に理由を伝えると気の利いたお客さんなら必ず反論する。『二年連続で売上下がっていますよね』と言ったら『でも利益が増えていますよ』って反論される。そうなると困るから『総合的に判断して』となる。

銀行員にとって上司が『NO』と言ったのだからそれを簡単に『YES』にできない。『上がダメって言っている』と言いたいけど言えないから、『総合的に判断して』となる。一方『本部がダメと言っています』と言って断ることもある。これも悪質。自分達はやりたいけどどうしようもない。というスタンスがミエミエ。本当にやりたいのなら必死になって本部を説得すべきだろ。

そもそもお客さんが『じゃあ直接本部と交渉するから、連絡先教えて』と言ってきたらどうするのだろうね。本当に本部が『NO』と言っているか眉唾ものだからね。

業界用語

『銀行も自転車操業 その2』で出てきた信用金庫のお兄さん。今日は社長から少し難しい宿題をもらって『持ち帰って検討します』と言った。横で聞いていて、思わず『検討って前向きだよね』って聞き返してしまった。ちょっと嫌味っぽかったかなぁ・・・・

銀行を辞めて思うのだが、銀行員が使っている言葉と普段我々が使っている言葉で意味が異なる事がとても多い。正確に言えば意味が異なるのでなく解釈が違うのであろう。

例えば今の『検討します』これって普通『まあ大丈夫だろうけど念の為、上司に確認します』なんて意味が多い。

でも銀行員がこれを言った時は、『どうやって断るか検討します』とか『検討するふりをします』って意味が多い。まぁいきなり断ったら角が立つという事です。だから銀行員が『検討します』って言ったら、『前向きですよね』とか『いつまでに回答もらえますか』と釘をさした方が良い。

まぁ釘をさしても結論は変わらない。そもそも大丈夫ならば彼らの方から、『前向きに検討します』とか『明日までに回答します』って言って来ると思うけどね。