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銀行も自転車操業 その2

前回銀行は、自転車操業という話をしたけれど、それに関連した話。

今ある企業の手伝いをしているのだが、そこに時々信用金庫のお兄さんが集金に来ます。彼に聞いたら、信用金庫の営業マンも大変らしい。1日に積立の集金だけで30件。その他に口座開設や、積立の新約、投資信託の獲得に加えて、融資の目標がある。融資だけでも、法人宛融資と個人向けのローンとある。もうパニックっていて何がなんだかわかってない。こちらの話もうわの空。次のお客さんのところに行かねば・・・・。

そう言えば私も彼と同じでした。当時は貸出の目標だけでも、長期や短期だけでなく保証。協会付き融資や、法人向けのローンなど何種類もあった。それも、全てについて目標金額が決められていて未達成は許されなかった。とてもできる目標でない。

銀行の融資って審査があるから誰でも貸せるわけではない。でも現場の営業マンは目標のためには、全ての会社に貸したいと思っている。とにかく、会う人会う人に『かたっぱしから決算書持って来い。全部貸してやる』という感じだった。

これって今冷静に考えると、自転車操業ですよね。

銀行も自転車操業 その1

私は都市銀行の法人担当者として約20年多くの中小企業の経営者と接している中で、様々な経営者と銀行員の考え方の違いに触れてきました。その中で特に強く感じたのは、借入についての考え方です。

借入って返済するものですが、実は銀行はあまり返してもらいたがってないのです。よく「銀行っていいよな、利息は寝ていても入ってくるからな」と言われます。確かに利息は寝ていても入りますが、でもお金を貸しただけでは入りません。貸し続けなければ入らないのです。

貸して終わりではない。貸し続けなければいけないということは、返済されたらまた貸さなければいけないと言う事です。

大きい声じゃ言えないけど実は銀行も自転車操業なのです。じゃあ全く借りたお金を全く返済しなくてもいいかと言うとそうはいきません。一度決めた条件を遅延したお客に対しては、銀行は烈火のごとく対応します。どうバランスをとるかは難しいですね。

でも皆さん相手も自転車操業で実は、貸したがっているのです。そう考えていくと資金調達も少し違った視点で見えてきますね。