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新規銀行取引について その9

新しく銀行と取引を始める方法、ひとつ目は銀行に直接自分で行く。
2つ目は来た銀行員をがっちり捕まえる。でした。
最後は、誰かに紹介してもらうです。

『おいおい、誰が紹介してくれるのよ。そんな人がいたら苦労しないよ』
おっしゃる通りです。でももう少し目線を広げましょう。
まずは税理士に言ってみましょう。顧問税理士はだいたい紹介できる金融機関を少なからず持っているはず。そう思ってお願いしてみましょう。高い顧問料払っているのだから少し働いてもらいましょう。

以前も話しましたが、銀行は貸す先を探しています。
皆さんが思っている以上にとても貪欲に探しています。
でも決算書もらってがっかりしちゃうんです。
だって通い詰めて、評価してもらって、やっと借りてくれそう。
それで決算書を出して来たら。大赤字、債務超過なんていうのはよくある話。
せっかく口説いたのに男だった
みたいなもんですよ。
だから極力がっかりしないような先にアプローチをしたい。
そのキーワードが実は税理士なのだ。

税理士先生って決算書をみているでしょう。
だから融資受けられそうかどうかは感覚でわかる。
というより、赤字とか債務超過の先は、融資が厳しいから銀行にはあまり紹介しない。
だって変な先を紹介したら銀行から変な目で見られちゃうだろ。
それに税理士が新しい銀行を紹介して取引が開始すれば、税理士も銀行と顧問先の両方から感謝されるだろ。
だから税理士の紹介は外れがないと銀行は思っている。

銀行にとって税理士は将来の取引先予備軍を沢山持っている宝のヤマ。
銀行の担当者でも賢い奴は新規融資先を探すのに、税理士事務所に日参している。
いずれにせよ新規で銀行にアプローチをかける時に、税理士を使うのはとても有効な方法である。
でも、税理士と懇意にしていない経営者もいる。
そんな時どうするか
それは次回だな

新規銀行取引について その8

銀行が来て最初の面談です。
インタビューに答えるような感じで、あっという間に時間は過ぎてしまうと思います。
で、忘れてはいけない面談のポイント。これは二つです。

ひとつは宿題を与えることです。これは二回目の訪問をスムーズにさせるためです。
新規開拓をしている銀行員にとって難しいのは初回の訪問でなくて、実は二回目です。
だってひととおり聞いたらもうお終いでしょう。
法人新規の銀行員は自社製品を売込めないおかしな営業です。
『帰れ』と言われたら帰らなきゃいけないのは普通の営業と同じ。ただ違うのはその場で
『貸します』って言えないんだよ、決算書をもらわないと。
単純に物販なら自社製品の素晴らしさを説明すればよい。だけど、これができないんだよ決算書もらわないと。何故って貸せるかどうかわからないから。
ここが法人新規開拓の銀行員の辛いところなんだよ
そもそも決算書なんてそんな簡単にもらえないし、簡単に出す先なんて怖くて貸せない。

ひととおり聞いちゃった。で自社製品を売れない。社長も忙しいからそんな営業マンを相手にしている時間はそんなにない。
そんな営業マンにとって、二回目の訪問はとても難しい。
そのための宿題。
宿題をもらえば銀行員も来やすいでしょ。ただ、難しい宿題は絶対にダメですよ。事前にホームページかなにか見ておいて誰でも答えられるものが良いですね。
『おたくのネットバンクの手数料いくら?』なんてイイですね。誰でも調べればすぐ、わかるでしょう。

新規銀行取引について その7

いよいよ銀行が来ました。さてどうしましょう。
向こうは貸す気が満々
こちらは借りる気満々
でもいきなり『貸してくれ』はNGです。
貸すつもりが満々でも、まず貸せるかどうかを見ているからです。
何度も言いますが、銀行は『貸して』とお願いすると逃げる人達です。絶対に最初から『貸して』はいけませんよ。これは鉄則です。

銀行員は最初貸せるかどうかを見ます。
これって何だと思いますか?一言でいうと経営者の人物です。経営者の人を見ます。
『え?』 と困った経営者の方。そうです。業績より前に必ずそこを見ます。
『そんなのどうやって見るのよ』意外と単純。まずは普通の人どうかです。
誠実で約束を守る人かどうかがポイント。

銀行は企業が返済を約束したから融資をします。
銀行って簡単な約束も反故にするような経営者は返済の約束を守れるはずがないと考えます。だから、時間とかほんの細かい事でも約束を守れる人かは銀行にとって大事です。
『時間に遅れるのと、返済できないのは違うだろ』と思う経営者の方。お気持ちはよくわかりますが、それが常識的に正しいかどうかでなく、銀行員はそう考える人達だと思って下さい。でそういう人からお金を借入するのだから仕方ないと割り切って下さい。

余談ですが、経営計画。今期の予想なども、銀行は経営者の約束と捉えます。だから前年比も大事だけど、計画比をより重視します。計画比マイナスというのは約束を守れなかった。あるいは守らなかったとなります。もっと言うと守れない約束をするくらい見通しの甘い経営者という事になってしまうのです。

次に何をやっている会社かは必ず聞かれます。
ここで自社の特殊性を遍く(あまねく)語る事が出来れば良いのですが、それができなくても大丈夫です。大事なのは、経営者が真剣にビジネスに取り組んでいるかです。
この人は寝食を忘れ仕事に取り組む真面目な人かというのがポイントです。
間違っても『ゴルフがシングル』とか『昨日銀座で』なんて話は絶対ダメです。嘘をつく必要はないですが、積極的に話すのはNGです。
『え?銀座で飲んだら銀行から借入れできないの?』
違いますよ。初回は銀行も探っている状態でしょ。そんな時に敢えて相手の嫌がる話をするなって事です。見合いの席で、六本木や銀座で良く遊びますなんて言わないでしょ。
あとでばれちゃう事はあるかもしれませんが