さてどうしましょうか
まず資金繰りを確認しようと思い社長に『社長、資金繰り表って作っています?』と聞いてみた。『え?なんですかそれ』
資金繰り表はその企業の資金繰りを把握するのに大事な資料である。詳細は省くが、作成した方が良い。社長の頭の中で、勘と経験で資金繰り表ができている企業もある。しかし資金が潤沢であればそれでも良いが、そうでなければ作った方が良い。何故かというと、これをつくると、いつ頃、いくら足りなくなるかが明確にわかるからだ。
最近では会計ソフトでも作成できるようである、しかしそれを有効的に提案している税理士先生はあまりいない。税理士先生は決算書作成が主業務で、資金繰りについては企業が独自でというのが多い。
現場をみて思うのだが、毎月作成される試算表を経営に活かしている企業は少ない。『試算表?何それ』という社長もいる。試算表ですらそうだから資金繰り表となると全く別世界なのだろう。
今回は時間もないので社長からヒアリングして資金繰り表を私が作成。『今後の売上は?』『今月の入金は?』『返済は?』『今の仕掛かり工事はどんな状況?いつ入金になるの?』など立て続けに質問をして資金繰り表を作っていった。今月が終わったら当然来月分と再来月分と3ヶ月先まで作って見た。
『あれ?社長今月500万円っていったけど300万円で大丈夫じゃない?』
『あっ 本当だ』
『それと、来月〇〇産業と△△興業から入金があるよね。これで残りの300万円も払えると思うけど』
『あっ 確かに』
『てことは、〇△銀行の返済を300万円だけ1ヶ月待ってもらえばいいんでしょ』
『あっ、本当だ』
こんな簡単な事でも資金繰り表を作ると明確に見える。
とりあえず、今日期日の返済700万円を400万円だけ返済し、残りを待ってもらうように交渉するという事になった。しかし、期日当日にジャンプ。しかも返済資金を使ってしまったのだから銀行怒るだろうな