よく聞かれる質問に、
『銀行員にはどんな接待したら良いですか?』というのがあります。
結論から言うと、銀行員を接待する必要はない。
銀行員を接待すると、
『融資がでやすくなる』
『難しい融資が簡単にでる』と思っている方。そう貴方。
そもそも銀行員を接待してもあまり変わらない。まぁ融資も結論が少し速くなるとか、頼んだことをほったらかしにする事はなくなると思うよ。
でも融資のNOの結論がYESになることは絶対にない。
昔と違って今の銀行では、融資に個人の判断が重視されることはあまりない。
重要なのは格付けである。
銀行では、お客さんから決算書をもらうと、それをコンピューターで入力する。銀行は何万社のデータがストックされているので、同業他社のデータと比較してその会社をランク付けする。簡単にいうとそれが格付け。銀行によって異なるが、だいたい10~20段階に分類される。大雑把にいうとその格付けで、融資ができるかどうか、いくらまでよいか等がだいたい決まってしまう。だから融資の判断で大事なのは決算書なのだ。
昔は格付けなんか無かったから、融資判断に個人の(主に支店長)裁量がとても大きかった。でも今はシステマチックに決まる格付けが融資判断に最重視されるのだ。
だから接待しても融資の結論はほとんど変わらないのだ。
そんな話をしたら、うちの社長
『接待したら、その格なんとかっていうのが良くなるんじゃないっすか?』
あのねえー。ならないよ。
銀行員を接待するという事に関していえば、今はコンプライアンスがうるさいから、銀行員も接待を受けるのは慎重。下手に過剰な接待を受けたりすると、首が飛んでしまう。銀行は虚礼廃止で年賀状もだせない。銀行員同士も年賀状なんてやりとりしないよ。だって12月30日まで一緒にいて1月4日にはもう会うんだよ。出さないって。
前回も書いたけど、接待を受けると記録に残すのがルール。3,000円以上の接待を受けると必ず書類で残しておく。金融庁の検査が来ると、それは必ず見られる。同じ会社が何回もあったらめちゃくちゃ印象悪いだろう。それに接待を受けた前後にもし融資の取り組みなんかあったら大変だよ。片岡愛之助みたいな検査官に、それこそ料理の内容まで聞かれるよ。
まあ融資判断の結論も変わらないし、先方も望んでないのだから、銀行員を接待する必要はあまりないよ。