さて、受付の若いお姉さん。
『法人の新規の口座開設はすぐに出来ません。
今日はお話を伺って後日可否の連絡をしますがよろしいでしょうか?』
『はい』と言ったら、お姉さんは、謄本をチラリと見て、
『業種は○○ですね。具体的にはどのような事をなさっているのですか?』
『最近設立されたのですね』
『今までどちらの銀行でお取引されてたのですか?』
『なぜ手前どもの銀行とお取引を希望されているのですか?』
と矢継ぎ早に聞いてきた。しどろもどろしながら打ち返している社長だが、
言葉に詰まってしまったので、すかさず横から助け舟
『業種柄いちげんのお客様からの振込が多くなる事が予想されます。その際代金の受取口座が信用金庫さんですとどうも。それと事務所から一番近い都銀さんということでこちらに伺いました』
『あっそうですか』
そのあとも色々と聞かれたが、なんとか無事に終わった。最後にお姉さん
『後日こちらから連絡します』
帰路、社長から
『良かったよ、先生が来てくれて。しかし、たかだか口座作るのにえらいうるせーな』
普通の感覚だと口座なんて簡単にできると思う。しかし今はそんなに簡単に出来ません。
何をやっている会社か、なぜ取引銀行が別にあるのに口座を開設したいのか
などなど、根堀葉堀聞かれる。場合によっては営業マンが事務所に来る。
だから口座開設に行く時は、開設理由などある程度は答えられるようにしておいた方がよい。
『社長ポイントはどうしてその銀行と取引したいかですよ。そこが上手く答えられないと怪しいってことになりますよ』
『都銀、カコイイじゃだめか』
『ダメですよ、今まで何故取引しに来なかったんですかって考えるですよ銀行って』
『まいったね』
後日某銀行から連絡があり、晴れて取引開始できることになった。
でも、今回かなりしつこく聞かれたのは
この銀行が反社会的勢力で業務改善命令を受けたからか。
またはうちの社長がぱっと見あっち系の人だからか。
怪しげなコンサルタントが同席していたからか。
よくわからない。
でも口座が開設できてメデタシメデタシ。