積立この不可解なもの その4

今まで散々積立預金の事を悪く書いてきたので、今回はやっていて良かった積立預金。
積立預金は使う時期と目的がはっきりとしているならばむしろ
『やっていて良かった』
という事になる。

例えば、納税資金とか賞与資金等である。退職金はいつ退職するか定かでないケースが多いので、積立預金で貯めるのはあまりお勧めしない。
納税とか賞与というのは時期が決まっているし、金額もだいたいわかるでしょう。
だったら余裕があるなら今から半年後や一年後へ向けて積み立てするのも良い。
ただその時は銀行員に
『○○の目的で積み立てするから○月に解約するよ』
と事前に話しておくことをお勧めする。そうしないと降ろす時に少し苦労する。

資金が必要な時期が明確でその目的で積み立てするなら必要な時に慌てずにすみ困らない。そんな話をしたらうちの社長
『先生、車買いたいから積み立てするよ』ってきた。
『社長、積み立てしなくても、ローン組めば明日からでも新車に乗れますよ』
『あっ、本当だ』
もちろん税務上の問題もあるので車を買うのにローンを組むのが常に正しいとは言えない。
でもどうせ積み立てるならその分ローンで払うのも同じと考えるなら積み立てしない方が良いかもしれない。なぜならすぐ乗れるから。
積み立てが効力を発揮するのは支払時期が決まっている場合だ。

そもそも積立預金って個人向けの商品だと思う。個人なら、子供の入学金や自宅購入、リフォームとライフスタイルに応じて資金が必要になってくる。それをカバーするのが積立預金。昔は金利も高かったから
『えっ?こんなに利息ついたの?やっていて良かった』
という事になったのだ。
個人は強制的に積み立てて消費しないようにする。それがお金を貯める秘訣。
でも法人はお金を貯めるより、そのお金を再投資し、更に利益を追求する。
だから個人の貯蓄の考えを法人にもってくるとちょっと失敗する。
法人は○年後にまとまった資金が必要になるなんて発想はあまりないし、そういった資金はむしろファイナンス資金として調達するのが現実的だと思う。

『社長、わかります?』
『え?先生そんな事より、飲み行こう。再投資だろ。』
だめだこりゃ。